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Astro は2018年に Detail Type Foundry からリリースされた、現代のサイエンスやテクノロジーにインスパイアされたタイプフェイスです。私たちはこのタイプフェイスを「ネオヒューマニスト・サンセリフ」と位置付けています。

このプロジェクトはタイプフェイスに見られるヒューマニティの遍歴のリサーチから始まりました。現在使われているのアルファベット一式の基本形状は、おおよそ、ルネサンス期に成立したとされています。人文主義の運動の過程でローワーケースアルファベット (小文字) が生まれたことが一つの起点となり、以後その形状をベースに、時代ごとに様々なタイプフェイスが現れました。Trasitional, Didone, Slab, Grotesk, Neo-Grotesk, Humanist, Geometric… どれも時代の影響が色濃いスタイルです。人間の生活様式や趣味趣向は時代と共に変化します。その変化は、社会の状況に起因することもあれば、一人の思いつきが大きな流行になることもあります。タイプフェイスにおいては、その性質上、一人の設計者の考えが強く反映されていることが多くあります。特にサンセリフ体は現代の新しい書体として、この1世紀ほどの間に様々な試みが行われており、その背後に多くの思惑を見ることができます。私たちはヒューマニスト・サンセリフのリサーチを行う過程で、何人かの重要なデザイナー、エリック・ギル(Eric Gill, 1882–1940)、ヤン・チヒョルト(Jan Tschichold, 1902–1974)、アドリアン・フルティガー(Adrian Frutiger, 1928–2015) に辿り着きました。 彼らのサンセリフ体へのチャレンジは既に半世紀以上前のものであるにも関わらず、今でも多くの示唆を与えてくれます。私たちが着目したのはチヒョルトによるチャレンジです。モダンデザインに傾倒していた彼は、当初サンセリフ体以外のタイプフェイスを非難していましたが、後に自らの考えを改め、セリフ体を用いたクラシックなデザインに回帰しました。その変化の過渡期にあたる1933年、彼は写植機メーカーであるUhertype社のためにサンセリフ体を開発しています。エリック・ギルによる Gill Sans の影響を強く受けながらも、それとは異なるものとして産まれたチヒョルトのタイプフェイスは、時代の狭間に埋もれ、現在、目にする機会はほとんどありません。私たちはそこで行われたいくつかの試み——モダニスト的な形状の簡略化と、古典主義的な装飾の非合理な混在——にモダンとクラシックの融合、対立する物事の調和へのヒントを見出しました。

私たちは、変化の過程における矛盾や対立を、一つのタイプフェイスの中にあえて共存させようと考えました。現代の航空科学やバイオテクノロジーに見られるような高度な技術は、アルファベット成立の頃からすれば、ほとんど魔法のようなものです。この時代に相応しいタイプフェイスはどうあるべきか、私たちは要件を整理しました。

- 歴史の延長線上にある
- 時代の技術を反映している
- 人類への貢献がある

私たちが特に重要視したのは、時代の技術の反映です。Astro は、現代の航空機器や自動車、モバイル端末に見られるような、滑らかな曲線を特徴としています。K や t のような鋭い先端を持った文字、O や c のような丸みを帯びカウンターが広く開かれた文字のほか、b や g のような筆跡に基づいた形状を取り入れていることも特徴です。名称の “Astro” は、星を意味し——地球外の星だけでなく——地球それ自体も指しています。私たちは今、国や人種、性別を超え、星の規模で物事を考えなければならない時代を生きています。アメリカの発明家、バックミンスター・フラー(Richard Buckminster Fuller, 1895–1983)の言葉を借りれば、この地球は宇宙船であり「私たちは皆、宇宙飛行士」なのです。

Astro, Detail Type Foundry

detail.tf
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  • Astro, Released in 2018

    4 styles with 10 weights, each with slanteds
    OpenType CFF, Wolf, Woff2

    Design by Makoto Kamimura
    Only available as complete family set

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